ストロングおじさんのパワポでまとめるRTDの世界

RTDとはReady to Drink、栓を開けてすぐ飲める、缶や瓶入りのチューハイ・カクテル・ハイボール等の総称です

2019年 缶チューハイ売上ランキング TOP10

最新版の2020年ランキングはこちらです

 

まえがき

2019年1-12月の缶チューハイ売上実績TOP10をまとめてみた!

おかげさまで2019年もRTD業界は前年比110%以上の二けた成長を達成!その中でも、特に売れた製品は何だったのか?

ランキングと私の熱い考察を是非読んでいただければ幸いです!

 

本編(パワポ+考察

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※2020年3月5日 本搾り及びキリン・ザ・ストロングを推計値⇒公表値に変更
 本搾り1,188万ケース⇒1,200万ケース
 キリン・ザ・ストロング1,000万ケース⇒930万ケース

1位:ストロングゼロ(4,100万ケース/前年比107%)

ストロングゼロが堂々の1位。2018年時点で-196℃ブランド総計では氷結を上回っていたが、2019年は遂にストロングゼロブランド単独で首位に躍り出た。

2019年も瞬感シリーズ、SHOTシリーズ、トリプルシリーズ等、魅力的な新たなシリーズを続々発売。また"から揚げ専用"と言った斬新な限定品も発売した。

市場全体の伸び110%は若干下回ったが、追われる立場でこの数字は立派。2020年もGIGAレモン、ガツーンとシリーズ等の新作を発表済み(1月26日時点)。首位を維持していくことが見込まれる。

2位:氷結(4,034万ケース/前年比104%)

王者・氷結が2位。2018年は前年並みの0成長に終わったものの、今年は盛り返し104%。斬新なプロモーションと新フレーバーの発売が功を奏したか。

しかし、あれだけやって、市場を大きく下回る104%は実質マイナスに近い。プロモーションでは確かに勝ったが、それでも0成長やマイナスを食い止めるのがやっとだったという印象。

現在市場で伸びているのは甘くない製品濃厚で複雑な果実感な製品で、そこそこ甘めでスッキリとした氷結のフレーバーはやや時代遅れになってきているかもしれない。

しかし、それでも缶チューハイの定番として4,000万ケースのブランドに育てたのは立派。攻めるのか、守るのか、今後の動向に注目される。

※尚、昨年まで氷結と氷結ストロングを分けて集計していたが、2019年はメーカーからの開示がなく、一本化した。

3位:タカラ焼酎ハイボール(1,810万ケース/前年比115%)

焼酎ハイボールがほろよいを抜き、遂に3位にランクイン。トップ10のうち、2017年以前に発売されたレギュラー品では最も高い前年比成長率を示した。

2019年は同じ度数7%・酒場の味という似たコンセプトのこだわり酒場のレモンサワーがヒットし、影響を受けるかと思ったが、殆ど影響はなかったと思われる。
(2018年は前年比117%)

焼酎ベース、甘くないというチューハイの原点とも言える味わいが、今では独自の価値となって高い評価を受けているのだろう。ビール類からの移行派も多く、今後も順調な成長が期待できる。

4位:ほろよい(1,740万ケース/前年比108%)

ほろよいは焼酎ハイボールに抜かれ4位に。しかし、前年比はしっかり108%と、度数高めがトレンドの中で貫録を見せた。

2019年は一部フレーバーを度数4%にしたり、CMを変更したりと色々と施策を打ったが、その中でも、特にインパクトの合ったのは「ハピクルサワー」「ミックスフルーツサワー」の発売だろう。

10月に発売されると大きな話題を集め、RTD全体のフレーバー別売上でも上位にランクインした。売れすぎて販売休止になってしまったが、生産が順調に行っていれば、もう少し焼酎ハイボールに肉薄したかもしれない。

5位:本搾り(推計1,200万ケース/前年比111%)

本搾りが前年に引き続きTOP5にランクイン。

2019年は初のファンミーティングを開催する等の施策をうったが、上位のストゼロ、氷結、ほろよいに比べるとPRは控えめな印象。新作も多くはなかった。

それでも、これだけの伸びは本当にすごい。果汁とお酒だけという唯一無二の製品。焼酎ハイボールと同様、PRに頼ることのないブランド独自の価値が評価されているのだと思う。

 

6位:こだわり酒場のレモンサワー(978万ケース/新登場)

新星・こだわり酒場のレモンサワーが初登場で6位。

978万ケースは歴代のRTDの初年度売上でも最多と思われる(おじさん調べ)。そして、驚愕すべきがこれを1フレーバーで達成したというもの。RTDの歴史に残る大ヒットとなった。

決して派手な味ではないが、染み入るようなレモンのうまみが飲み飽きず、何度でも飲みたくなる。甘さ・度数・レモン感の全てがちょうどよく、平成最後の3月に生まれた、新時代のスタンダードとなり得る製品と言えよう。

2020年は新作<キリッと男前>を3月に投入し、1,460万ケースが目標。実現されれば、2年目にしてTOP5入りが見込まれる。

7位:キリン・ザ・ストロング(930万ケース/前年比124%)

キリン・ザ・ストロングが昨年同様7に。惜しくも年初目標の1,000万ケースには届かず、こだわり酒場の後塵を拝したが、それでもかなりの数字。ストロング界の二番手に躍り出た。

メロンソーダ、グレープスカッシュ、カシオレ、モヒート、と2019年も相変わらず斬新なフレーバーを続々と発売いい意味での開き直りとも思える独自戦略で、競争激化するストロング界に確かな地位を確立。何をしでかすかわからず、今後も目が離せないブランドと言えるだろう。

と、思っていた矢先、2020年4月にリニューアルするとの情報が入ってきた。今までのジャンク路線から、正統派への転換が予測されるリニューアル。19年対比29%増の1,200万ケースの高い目標を掲げるが、よっぽどリニューアル品に自信があるのだろうか。。。

8位:もぎたて(578万ケース/前年比75%)

もぎたては6位から8位へ。神7から陥落し、売上も前年比75%と大きく落ち込んだ。

2018年も前年比80%と苦戦。2019年は4月に大規模なリニューアルを実施し、巻き返しを図ったが、効果は限定的だったようだ。

キリン・ザ・ストロング、99.99と新世代のストロング系の台頭する中、ストゼロや氷結ストロングの後を追った感のあるもぎたての価値は徐々に薄れてきているか。

個人的に好きなブランドなので、2020年の今度こその巻き返しに期待したい。こだわり酒場の<キリッと男前>の投入、檸檬堂 鬼レモンの通年発売と、相変わらずストロング界の競争環境は厳しいが。。。

9位:99.99(463万ケース/前年比194%)

9位は昨年に続き99.99がランクイン。

昨年は実質4か月の発売で239万ケースを売上、サッポロのRTD売上記録を更新。今年も年初目標の400万ケースを上回る売上を達成する等、順調に拡大した。

一方で、上位陣と比べると売上の面では差があるのは正直なところ。どうしても、ニッチ層からの支持が中心で、ネット界での人気と売上が比例しない(それでも十分な売上だが。。。)

2020年はリニューアルと業務用樽詰の販売を実施予定で、670万ケースを目標にしている。真のスターダムを目指し、がんばって欲しい。

10位:贅沢搾り(418万ケース/前年比98%)

贅沢搾りが10位に。2018年は実質9か月の販売で、今年は通年での販売となったが、昨年より数字を落としてしまった。

それでも、400万ケース超えはお見事。積極的に新製品を投入し、高果汁系では本搾りに次ぐ地位を確立した。

2020年はアサヒビールとして最注力のRTDブランドらしく、今のところはリニューアルと贅沢搾りプラスの発売を予定している。

その他、特記事項

本ランキングに掲載した製品以外に関して、いくつか特記する。

ハイボール

本ランキングは缶チューハイに絞っており、ハイボール缶はランキングから除外している。

サントリーはハイボール缶だけで1,852万ケースを販売。ブランド別の具体的数値は公表がないが、そのうち7割程度は角ハイと思われる。ハイボールもランキングに含めれば、角ハイは上位にランクインするだろう。

クリアクーラー

アサヒビールがセブンブランドで発売しているクリアクーラーも、かなりの売上があると思われるが、PB系は公表がないため除外に。

もぎたて・贅沢搾り・ウィルキンソンの3大ブランドを除くアサヒRTDの売上は1,126万ケース。仮にその7-8割がクリアクーラーだとすると、788-900万ケース程度と、上位にランクインする数値に。

ウィルキンソンシリーズ

今年大刷新したウィルキンソンシリーズは383万ケース。惜しくも贅沢搾りについで11位とトップ10入りはしなかったが、前年比186%と大躍進した。

但し、目標は500万ケースだった。こだわり酒場や他の製品のヒットが、やはり影響したのだろうか。

檸檬堂

檸檬堂は10月末に全国発売されたため、実質的に2か月のみの全国発売である。さすがに2か月でランクインは厳しいが、2020年は大きな飛躍が見込まれる。

11-12月の売上から推察するに、この勢いが続けば6-7番手グループは十分射程圏。2020年のランキングに登場することを期待したい(コカ・コーラ様が売上を公表してくれるかが、一番の課題であるが。。。)

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2018年度のTOP10は、こちらをご参照下さい。

但し、この時は氷結をレギュラー氷結とストロングで分けているので、順位等が今回の前年度比較に用いたランキングと相違があります。ご注意を。

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